任意後見人制度をざっくり解説

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成年後見制度は、大きく2つに分かれます。

「任意後見制度」と「法定後見制度」です。

今回はその中の、任意後見制度について解説します。

法定後見制度は、本人が既に「意思能力」が不十分な時に、家庭裁判所が後見人を任命して運用します。

対して、任意後見制度は、本人に意思能力がある時に、本人が後見人を指名、契約を交わして運用するものです。

成年後見制度

■ 任意後見制度  本人に意思能力(判断能力)があるうちに契約を交わす

■ 法定後見制度  本人に意思能力(判断能力)が不十分になってから申し立て

このように「任意後見制度」は、「成年後見制度」の中に含まれる制度です。

なのでこの制度にによって、保護される人(本人)は、「成人」でなくてはなりません。

そして「認知症」など精神的障害を患った人を保護するもので、「寝たきり状態」でも「意思能力」がある場合は、利用することができません。

精神的障害の有無には、医師の診断書が必要です

任意後見制度の流れ

任意後見契約を交わす

任意後見制度を利用するには、まず何からやれば良いの?

任意後見制度は、自分の判断能力がなくなった後、世話になりたい人と「任意後見契約」を交わすところから始まります。

契約は「公正証書(こうせいしょうしょ)」で交わさなくてはならないので、「公証役場(こうしょうやくば)」で行います。

どうしても、公証役場に行くことができない人は、公証人が自宅まで出張してくれくます。

出張の場合、割増料金と日当、交通費の支払いが必要になります
「世話をしてほしい人」っていうのは誰でも良いの?

本人にとって、一番信頼できる人がふさわしいです。

希望として一番多いのは、やはり親族です。

ただし、相手が未成年だと契約を交わせません。「任意後見人」になる人は成人に限られています。

子供が3人いたら3人とも契約を交わせるの?
任意後見契約は、複数の人と交わすことができるので大丈夫です

こども等、身寄りがいない人はどうするの?

親族がいない、身寄りがいない方でも、「弁護士」や「司法書士」などの法律家や、「信頼できる知人(成人の人)」とでも、任意後見契約を交わすことができます。

親族でない人が後見人の場合、運用が始まると、報酬を支払うようになります。

市町村によっては助成制度もありますので、確認をしてみてください。

既に本人が「認知症」の診断を受けていても、軽度であれば契約を結ぶことができる可能性があります。

必要書類と費用

公証役場で必要になるものは、以下の通りです。

将来、自分の任意後見人を引き受けてくれる人を、この時点では「任意後見受任者」と呼びます
◆任意後見契約で必要なもの

1. 本人の住民票・印鑑証明書・戸籍謄本
2. 任意後見受任者の住民票・印鑑証明書
3. 本人任意後見受任者の実印
4. 本人任意後見受任者の本人確認資料(運転免許証やパスポートなど)

そして費用は、おおむね以下のようになります。

◆任意後見契約でかかる費用

1)公証役場の手数料    11,000円
2)法務局に納める印紙代   2,600円
3)法務局への登記嘱託料   1,400円
3)書留郵便料         540円
3)正本謄本の作成手数料  250円×(本人1枚+受任者の人数枚+登記申請用1枚)

※ 受任者が複数になると(共同してのみ権限を行使できる場合は別として)、受任者の数だけ契約の数が増えることになり、その分だけ費用も増える

「共同してのみ権限を行使できる場合」って??

例えば、不動産の管理や株式の管理は専門家の職業後見人にお願いし、日々の身上監護と年金収入・賃料収入の管理などは親族後継人で行うといった「権限の分担」を盛り込むと、契約が複数になります。

しかし臨機応変に、親族後見人(兄弟)で、分担を決めず共同で「何かあったら、その時できる人がやる」という契約の場合、一つの契約とみなされ、「共同してのみ権限を行使できる場合」に該当します。

また、任意後見人に親族でなく、弁護士や行政書士などの職業後見人にした場合、月額で報酬を支払う必要があります。

登記完了

公正証書が完成すると、それが公証役場から法務局に送られ、登記の申請がされます。

登記が完了すると、公証役場から連絡が入ります。

この時点では、後見人となる人のことを「任意後見受任者」と呼びます。

任意後見契約が結ばれても、本人にしっかり意思能力があるうちは、「任意後見人」としての仕事は始まらないからです。

本人に意思能力がなくなり、任意後見制度をスタートさせようとした時、別の親族が勝手に「法定後見人」の申し立てをしてしまったとします。

その場合でも「任意後見制度」が優先されます。

任意後見人の仕事のスタート

任意後見制度の運用を開始すると、本人(被後見人)は医師や弁護士・税理士などの資格を失ったり、会社役員であれば、その座を降りなければなりません。

いよいよ任意後見人を依頼してきた「本人」に、意思能力・判断能力がなくなってきた時、任意後見受任者は、任意後見人として仕事を始めなくてはなりません。

そこで行うのが「任意後見監督人選任の申立て」です。

任意後見監督人?

また誰かを選任するの?

任意後見人が仕事を始めるには、裁判所が選任する「任意後見監督人」という人を置かなくてはいけません。

任意後見監督人は、主に弁護士や司法書士が選任されますが、任意後見人は任意後見監督人に定期的な報告をするなどの義務があるからです。

任意後見監督人が選任されて、初めて任意後見受任者は「任意後見人」として仕事ができるようになります
申し立ては誰がするの?

たいていは、任意後見受任者が行います。

申し立てができる人は、次の人たちです。

任意後見監督人選任の申し立てができる人
■ 本人
■ 配偶者
■ 4親等内の親族
■ 任意後見受任者

申し立ては、本人が住む地域を管轄する、家庭裁判所にします。

申し立てに必要な書類や費用は裁判所のページを参照してください

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任意後見監督人が選任されると、監督人へ「報酬」を、本人の資産から支払うようにります。

報酬額は本人の資産状況により家庭裁判所が決めます。

相場では月額で3万~6万ほどです。

支払いを怠ると、任意後見人を解任されることがあります

また任意後見人は、しっかり仕事をしていれば問題ありませんが・・

任意後見監督人が、任意後見人をふさわしくない人と判断すると、任意後見人を解任させることもあります。

任意後見人を解任されると、第三者の「法定後見人」が裁判所によって選任されてしまいます。

その場合は法定後見人への報酬を、本人の資産から払うことになります

後見人への報酬は、市町村によって「助成金」を支給しているところもあります。

本人が住んでる市町村のホームページで確認してみましょう。

次は、任意後見人の仕事内容について見ていきます。

任意後見人の仕事内容と権限は?

任意後見制度を含めて、「成年後見制度」は本人の財産を守り安心して生活ができるようサポートすることが仕事です。

ゆえに、”常に本人の利益となる事“を心がけなければなりません。

いくら親族でも、本人のお金を私欲で使ってしまえば違反行為です。

契約に基づいた法律行為をする立場であるという自覚が必要です

最悪、職務不適切で、後見監督人から解任されることになります

任意後見人には、本人の代行「代理権」があります。

なので本人に代わり、「財産管理に関する法律行為」と「身上監護に関する法律行為」を任意後見契約の内容に沿って行います。

◆任意後見人の仕事の例 

■ 財産の管理
■ 金融機関(銀行・郵便局)との取引
■ 保険会社との契約等に関すること
■ 定期的な収入の受領・定期的な支出の支払代行
■ 介護契約、その他の福祉サービスの利用契約や施設の入退所手続き
■ 病院への入退院手続の処理
・・・などなど

あくまでも「任意後見契約」を交わした内容に基づいて行います。

相続の遺産分割協議で本人の「代理」を務めるのは可能?

■ 本人の代理を務めて、遺産分割協議に参加することは可能です。

■ しかし後見人が相続人でもある場合、本人と利益相反の関係になる恐れがあります。

■ その場合、家庭裁判所に「本人の特別代理人の選任」を行い、特別代理人が遺産分割協議に参加します。

任意後見監督人を解任させたい

任意後見人をチェックするのは、任意後見監督人です。

監督人は人ですから、後見人や親族との相性もあります。

しかも月額で、報酬を支払い続ける存在です。

監督人の怠慢や方針の食い違いから、「解任させたい」と思うこともあるかと思います。

任意後見人の多くは、本人の親族であることが多いからです。

しかし、解任を決定できるのは「家庭裁判所」です。

そして、監督人の「解任申し立て」ができるのは以下の人たちです。

■ 後見監督人が複数いる場合、別の後見監督人

■ 本人(被後見人)

■ 被後見人の親族

■ 検察官

親族でも「後見人になった人」は申し立てをすることができません

後見人は、監督人の解任請求が出来ないからです。

任意後見監督人に不正な行為、著しい不行跡、その他任意後見監督の任務に適さない事由がないと、解任されることはありません。

相性が悪い、態度が悪いなどの理由では、解任はされません。

任意後見制度のメリット

任意後見人のメリットは、なんと言っても一番は本人が望む人を選任できる点です。

多くの人は「息子」や「娘」など、信頼できる親族を希望しています。

赤の他人でも、普段から身の回りの世話をしてくれている「信頼できる人」が居れば合意のもとに選任することが出来ます。

逆に法定後見人は、本人ではなく家庭裁判所が選任するので、本人の意思にそぐわない人が選任されたりします。

法定後見人でも、多くの申立人は「親族を希望」しますが、実際には親族が法定後見人になれるケースは2割程度です。

最高裁判所の公表で見ると、親族を法定後見人にできた人の割合は・・

2018年は23.1%

2018年は21.8%でした

約8割が弁護士や司法書士が選任され、報酬の支払いも生じてきます。

弁護士や司法書士とはいえ、他人に権利書や実印などを預けるのは、気が引けます。

また任意後見人は、複数人で共同して本人に代わる「代理」が行えるので、兄弟姉妹でお互いに協力したり、監視し合う働きもあります。

任意後見制度のデメリット

任意後見人には「同意権」と「取消権」がありません。

「代理権」だけがあります。

同じ「後見人」で見ると、「法定後見人」は同意権がありませんが、取消権はあります。

しかし「任意後見人」には、取消権がありません。

「同意権」は、法律で決められた重大な契約を結ぶには、後見人の「同意」必要となる権利です。

後見人の同意がないと、その契約は無効となります。

「取消権」は、本人が後見人の知らない時に、悪徳業者などから重大な契約を結ばれたとしても、後から後見人が取り消して、「契約は無かったもの」とできる権利です。

では、任意後見人には「取消権」が無いため、どうすることも出来ないのでしょうか。

例えば、判断能力がない本人が、悪徳業者に騙され、住宅リフォームの契約を結んでしまったとします。

その場合でも、任意後見人には「代理権」という権限を発動させることができます。

これは本人に代わって、クーリングオフ制度を利用したり、詐欺や脅迫で契約したと主張したり、消費者契約法違反を主張したりして、争うことができるという意味です。

訴えるなどの行為は、原則本人がしなければなりませんが「代理権」によって、任意後見人が行うことができます。

■ 騙されたり、脅迫で「本人の意思によらずに契約」訳した場合、無効にできる可能性がある
■ 消費者契約法違反
・ 不実の告知     (嘘の説明をした)
・ 断定的判断の提供  (「ぜったい儲かる」など不確実な事を断定的に話す)
・ 不利益事実の負告知 (消費者に不利益な点を伝えなかった)
・ 不退去       (消費者の自宅や職場に居座り帰らない)
・ 退去妨害(監禁)  (店などで「帰りたい」との意思表示を無視)
※ 「追認をすることができる時」から6ヶ月間
※ 当該消費者契約締結の時から5年経過まで に行使可能
この手の代理権を発動させるには、任意後見契約書に「紛争処理についての代理権」が書かれている必要があります。

悪徳業者への交渉は、どの弁護士でもできるものではありません。

その点こちらは、「闇金への債務取り消し」に強い弁護士事務所ですので心強い味方になり得ます。

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まとめ

法定後見人は、多くの場合「親族以外」の人(弁護士や司法書士)が選任されます。

対して任意後見人は、本人と家族の希望する「信頼できる人」と後見人契約を結ぶことができる制度です。

介護施設に入所するにしても、事務的に決められてしまうより、家族で親身になって考えた施設を選ぶ事ができるのは大きなメリットです。

全てではありませんが、頭の固い弁護士に”がんじがらめ”にされ、身動きが取れない親族が沢山いるようです。

今現在、軽度な認知症であれば、まだ任意後見契約を結ぶことができる可能性があります。

一度親族で、話し合われてみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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