ネットで見かけるこんな話。
「新型コロナウィルス感染者の中で重症化した人の多くは、ビタミンD欠乏症だった・・」
この話の信憑性には、賛否両論があるんですがどっちなんでしょうか。
今回はその辺について、切り込んでみます。
【ビタミンD不足はコロナ重症化に関係ない】 否定派の意見
「ビタミンDがコロナウィルスの重症化と関連がない」と主張するサイトの多くは、ネットで出回る根拠のない『関連説』に対しての警戒を促すような記事になっています。
つまりコロナウィルスとビタミンDの、相関関係には根拠がないと言うことです。
またエビデンスとして、治療中の患者にビタミンDを投与しても、改善が見られなかったという報告を多数あげています。
ビタミンDのサプリメントを過剰にとると、高カルシウム血症や高カルシウム尿症になる危険性にも触れています。
つまり「ビタミンDとコロナの否定派」の意見の多くはこうです。
【ビタミンD不足はコロナ重症化に関係ある】 肯定派の意見
新型コロナ感染死者数が多い、イタリア、ギリシャ、スペインではビタミンDの欠乏者が70%から90%にも上るそうです。
イギリスの研究発表
新型コロナウィルス感染による死亡者の、ビタミンDの血中濃度を調べるとほとんどの人がビタミンDの欠乏症が見られたという説があります。
イギリスとアイルランドの共同研究で、4月20日に発表されました。
北緯35度より南の地域では、COVID-19の死亡率が低い
重症化を左右する要因として、ビタミンDを支持する
北緯35度とは日本だと、千葉県、静岡県、三重県、大阪府、岡山県、島根県あたりを横切るラインです。
ちなみに南半球は北半球より、紫外線量が多いようです。
ビタミンDはよく知られているように、日光の紫外線を浴びることで生成されるものです。
また今回の新型コロナウィルスは、ウィルスが直接的に肺を攻撃しているというより、それを止めようとする免疫システムの暴走により、正常な肺の細胞を壊してしまうことが解っています。
ビタミンDは呼吸器ウィルスに対して攻撃するのではなく、免疫の大暴走を抑えてくれる作用があると見られています。
アメリカの研究発表
アメリカのルイジアナ州立大学ニューオーリンズ健康科学センターのFrank H. Lau氏が率いる研究チームはこんな発表をしました。
重症化した新型コロナ感染で、ビタミンD欠乏が蔓延している
約20症例ではありますが、重篤化した75歳以下の患者の100%がビタミンD不足で、その中の約6割がさらに深刻なビタミンD欠乏している状態だったそうです。
アメリカの研究の中で、人種別にみると黒人系の方が白人系に比べると断然に死亡率が高いということが解りました。
これは日本でも、ニュースで報道されたことがありました。
実はアフリカ系アメリカ人は、もともと紫外線の強いアフリカにいた人種です。
なので紫外線を遮断する肌質のため、緯度の高いアメリカでは十分なビタミンDを接種できなくて死亡率も高いという見方があります。
さらに、ボストンのホームレス避難所で、147人が新型コロナウィルス感染で陽性になったが、全員が無症状だったという報告もあるそうです。
栄養状態が悪いであろうホームレスですが、紫外線を浴びることも多いため、ビタミンDがきちっと、接種できていたのではないか?と予想できます。
まとめ
結局のところ、ビタミンDは新型コロナウィルスに対して効果があるのかないのか・・
厚生労働省は、エビデンスがないということで認めていません。
でもビタミンDを摂るメリットは、新型コロナウィルスに対してというだけではありません。
ビタミンDをしっかり摂っている人は、そうでない人と比べて感染症にかかりにくかったり、認知症リスクも減ると見られています。
そして9割の日本人は、ビタミンD不足にあるそうです。
ビタミンDには、骨の健康促進、炎症の調節、髪の健康など、多くの効果があります。
また前述したようにビタミンDは、腸内細菌を調整することで自己免疫疾患の調節にも関与する可能性があることが解ってます。
新型コロナ云々に関わらず、摂らないよりは摂った方が良いかもしれませんね。
ビタミンDの摂り方
ビタミンDは日光浴でも摂れますが、食事やサプリメントを利用する方が効果的のようです。
食事であれば、きくらげ、脂身の多い魚、大豆製品、卵黄などからとれます。
ただ植物からとるのは、動物からとるのに比べて、吸収は1/3くらいになるそうです。
そして、ミネラルのマグネシウムもきちっと摂らないと、ビタミンDばかりでは良くないそうです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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