「幸せの最小単位は家庭」とは、随分当たり前のように聞こえるフレーズかもしれません。
家族ができたその時は、ほとんどの人は理想の家族像をえがき、夢と期待で胸をふくらませいたはずです。
しかし、月日が経つと、そうは考えない人も多くいるのも事実です。
それが家庭に過度な期待を膨らませすぎたからか、単純に夫婦の相性なのか、家族の外に喜びを見つけたのか・・・
幸せの土台が家族でも、家族でなくても、人それぞれではありましょう。
でも家族という社会の最小単位の居心地が悪いより、良いに越したことはないはず。
また家族とは厄介なもので「身近過ぎて素直になれない」「身近過ぎて怒りが湧いてしまう」「身近過ぎて気をつかえない」「身近過ぎて甘え、期待してしまう」と言った側面もあります。
そもそも、この自分よがりの思い込みが、トラブルの原因になるのですが。
そこで今回は、南宋時代の中国の偉人の教えを紹介したいと思います。その方のお名前は「李修縁」と言います。
自分に対して要求して教育して律することで幸せになるらしい
見出しの通りなんですが、「教育」「律する」と言ってもどのようにすれば良いのでしょうか。
それは次の、10の行いを唱えられています。
1. 歓喜の心を保つ、感謝の心を持つ
2. 悪口を捨て去って、比べる事をしない
3. 責任を果たす
4. 人を包容する
5. 相手は変えられない
6. 運命とあきらめる
7. 悪縁を結ばない
8. 占有欲が強すぎないこと
9. 感覚の美を持つこと
10. かんしゃくを改めること
では、それぞれを見ていきます。
1. 歓喜の心を保つ、感謝の心を持つ
- 自分と付き合うことになった親族は皆、善縁を結んだ人と思う事。
- 1つ屋根の下で生活していれば、いろいろあるのは当たり前、それを自分の心の持ち方で変えていくこと。
- 自分が歓喜の心をもって、全てを受け入れる。そして、恩人に限らず鍛えてくれる人への感謝を忘れない。
- 幸福は心でつくるもので、外に求める必要がない。
- 宿命とは業力のこと
- 業力は前世の行いで出来たもの
- 業力は生れてから死ぬまで、考えから行動に至るまで、すべてを結合する力。要するに人生をコントロールする力。
- その力に振り回されているのが人生だが、それを変えるには心を変えるのが一番。
- 占いや風水で変えようとするのは、本当の方法ではない。
- 運命を変えたければ、自分に要求して自分を変えること。
- かんしゃくや悪い癖を変えると、運命の災いがあっても大から小に変わる。
人に1回ののしられたら、1回災いが消えると思え、言い返したら災いが消えるどころか大きくなり、収拾が効かなくなる。
悪口を捨て去って、比べる事をしない
- 自分の家庭と、よその家庭をくらべる必要はなく、自分の生活をしっかり保つことだけを考える。
- 自分のパートナーを、よそのパートナーと比べる必要はない。左官職人であっても役人であっても、1日の生活は3回食事して、風呂に入って寝るだけ。みな同じ。
- 自分の家庭と、よその家庭を比べた時、必ず苦しみが始まる。
- 比べると心の中に「高い」「低い」という気持ちが生れる。
- 隣が高級車を持っていれば、それは隣の家庭のこと。自分の家庭とは切り離して考える。
- そして、自分の普通車を大事にしていれば幸せを味わえる。
- 相手を褒めたり、感謝を伝えると感情をかき乱されない。
仏の気持ちとは、感情と理智のバランスがとれていること。他人の生活と比べないことが、幸せになる条件。
責任を果たす
- 一家の主人として、妻として責任を果たさなければならない。
- 外から入ってくる誘惑、職場での男女の誘惑。
- ちょっとした隙が、家庭の崩壊に繋がることもある。
- 既婚・未婚に限らず、他の家庭を壊すようなことは断じてしてはならない。
- 自分の家庭を大事にするなら、他の家庭も尊重しなければならない。
- 誰もが家庭の持ち場、職場での持ち場、社会での持ち場があり、その持ち場をしっかり守る事。
夫婦はお互いに相手を大事にしないと、「相手を大事にしなかった」という因をつくってしまい、将来や来世にそれに対しての果を受け取ることになる。
人を包容する
- 人の意見が自分と違っても、自分が正しいとは限らないと理解する。
- 人を変えるより、自分が変わる事
- 人を強引に変えようとすることは、生命に対しての一種の懲罰になる。
- 意見が対立したときは、お互いに切磋琢磨という姿勢で話し合うことが大切。
- 自分の主観の中で生きているから、苦しい。苦しみは誰かや外からもらうのではなく、自分で作っている。
- 今、悩んでいるとしたら、それは自分の観念でつくられた悩み。主観的な悩みに過ぎない。⇒悩みを下ろせば、悩みから解放される。
自分と違う意見を言う人を包容するのも、幸福につながることをしっかり押さえておくこと。
相手は変えられない
- 夫婦で喧嘩になったら、少し我慢をして落ち着けば、明日はさらによくなる。
- 今日の無知で明日の後悔をつくらない。
- 一時のかんしゃく、怒りで永久の不幸をつくらない
- 何万組の夫婦が、毎日毎日喧嘩をしているのは、相手を変えようとしているから。
- 例えこんなに近くにいようと、相手を変えることはできない。
- それより自分が変わることを考えた方が賢明。
- どうしても、怒りが収まらないときは沈黙が一番。沈黙は最高の抗議となる。
- 怒り(火)によって、幸福を一瞬に燃やしてしまうのは辞める。
運命としてあきらめる
- どうしても変えられないことは、諦めの気持ちになることが賢明。(顔のつくり、障害など)
- 障害などは業力(人生の課題、因果など)によるものと理解しなければならない。
- 人生は無常である、ということを解らなければならない。(事故や病気によって人生が一変する)
- どうしようもないことを、変えようとしても仕方ない。それよりその後が大事。(病気になったあと、前向きにリハビリをして家族の団結が高まる・身長が低くてもチャームポイントとして受け止める)
- 容姿の醜さがあっても、内面が綺麗であることが大事と理解すること。
- 身の回りに起こる出来事は、業力に添った縁であると理解する。
- 縁で巡ってきた出来事を受け入れて、生きていく。
- 逆に縁がないのに無理に取り入れて、生きていく必要はない。
悪縁を結ばない
- 人と接するときも思いやりを持ち、折り合いをつけていくこと。
- 相手が健康で悩んでいるなら、自分の健康を誇らしげに語るべきではない。
- 離婚した人に対して、自分の家庭の円満さを幸せそうに語ってはいけない。
- 他人を称賛する会話をすると、その人をおとしめる発言をする人がいるが、その話は受け流して話にのってはいけない。
人に対してマイナスの言葉は避けるようにして、良くない縁を持つことを避けるべき。
占有欲が強すぎないこと
- どんな時も「自分でないといけない」と考えないこと。(自分に才能があったとしても、他の人にも才能はあると理解する)
- 過去に浮気があったとしても、現在がしっかりしていれば過去のことで心配を恐れを抱かない。
- 過去に良からぬ仕事をしていても、現在真面目にしていれば、余計なことで心を乱す事はしない。
- 「三心を払う」とは過去心、現在心、未来心に拘らず、今一瞬を大事にすること。
- 過去の出来事で心を乱し、今の幸せを壊すようなことはしない。
感覚の美を持つ
- 感覚とは感じること
- 感覚の美は「常・楽・我・浄」
- 常: 真常であり、不変の心を保つこと
- 楽: 楽しい心境を保つこと (逆境でも順境でも)
- 我: この我は、肉体のことであるが、外から刺激を受けた意識のことでもある。
- 智慧(ちえ)で自分の意識を見抜き、心のねじ曲がりを正す。
- 心の上に意識を置き、意識の上に智慧をおく。
- 浄: 心を常に清静に保てば、幸せは傍にある。
- 幸せは自分の心でつくるもの。誰かにつくってもらうものではない。
感覚の美を持つ=感覚の欲を抑える
智慧(ちえ)とは、真実を見抜こうと考える力
知恵(ちえ)とは、物事を知っている、理解力、頭の回転が良いという力
かんしゃくを改める
- 家庭が不幸という場合、両親のかんしゃくが原因ということが多い。
- いつ、どんなことに陥ってもかんしゃくを起こさない努力をする。
- かんしゃくを起こさないと自分に要求する。
まとめ
生まれ変わりとか、因果応報などの話がでてきますが、解釈は人それぞれで良いと思います。
大枠が読み取ることができれば、細かい枝葉の部分は自分の納得のいく解釈に置き換えてしまえば良いのではないでしょうか。
今の地球科学は「科学」、「精神世界」と言う風に分離され、いや、敵対されている側面があります。
しかし、一部の先端科学を研究している研究者たちは精神世界にどっぷりと引き込まれてしまうひとも少なくありません。
研究すればするほど、分離や対立ができない両者の共通点に気が付いたからではないでしょうか。
両者を同時進行に研究しなければ、宇宙の森羅万象を解明することはできないと観るのが自然と思えてなりません。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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