安易な気持ちで、または切羽詰まって一時しのぎに・・・と。
闇金融業者からお金を借りてしまい、それがあっという間に取り返しのつかないほど、巨額な借金に膨れ上がってしまっている人が増えているといいます。
一昔前までの大手貸金融の体質
大手貸金融が皆、そうであったとは言いませんでど、一部でまかり通っていたのではないかと推測できるエピソードです。
私のかつての同僚に、ある貸金融に転職した人がいます。
そこの貸金融業者は闇金融業者ではないですが、もうそれは凄まじい取り立てや営業で社会問題にまで発展してしまった会社でした。
会長は国会の証人喚問にまで呼びつけられ、証言までさせられていました。
その貸金業者は、個人でなく事業所ローンを中心に成長し業界最大手まで上り詰め、東証一部上場まで果たした会社です。
その元同僚から聞いたエピソードですが、これは主に90年代までの話で、今は各貸金融業者はクリーンなイメージ、やり方になっていますので「昔の話」として読んでください。
元同僚はこの問題貸金融で「営業」として働いていました。
給料は完全歩合制にほど近く、営業成績が悪い月は休み返上で中小企業を回っては営業をかけていました。
当時彼は結婚し赤ちゃんが産まれたばかりという事もあり、それは懸命に営業の仕事を頑張っていました。
関東に住んでいた彼は、営業成績が落ち込むと京都の本社に呼び出され、会長直々に脅迫ともとれる咤激励を受けていたようです。
彼の営業は中小企業の社長に出向き、そこで「借りてくださいよ~」と粘る事相当だったと聞いています。
「やっと返済が終わったところなのに、当分借りたい金はない!!」と言われても引き下がらず粘ったといいます。
中には「帰れ!!」と罵倒されたり物を投げつけられたりしていたそうです。
土建屋さんが多かったらしく、社長も血の気が濃い人が多かったようです。
とにかく、「要らない」と渋る客に金をどうにか貸し付け、今では考えられない高利子でザヤをもぎり取る・・。
こんな感じだったのではないでしょうか。
彼の見た目はガタイがよく、顔はかなりのヤンキーチックな感じだったのですが、取り立て部隊はもっと凄く、どこから見ても本職のヤ○ザのようと聞いてます。
(個人的には「あんたもそう見えるよ」と思っていましたけど)
その彼が取り立てをすることになった、というエピソードも聞いた事があります。
それはある土建屋さんに営業をかけて、お金を貸す事になったのですが、その貸し付けが焦げ付き、その責任を追ったことで取り立てにいったとのことでした。
朝は法律的に取り立ての時間にルールがあり、その時間を待ってから会社に乗り込んだそうです。
すると社長室に行くまでの廊下の両側に、会社の若い衆がヅラーっと並び罵声や怒号、すごい圧力の花道?があったそうです。
そこを彼は”なめられまい”と大股で大手を振って、睨めつけながら歩いたと言っていました。
そこで、契約書に相手の虚偽を見つけ「詐欺として訴える」という展開で解決したそうです。
そんな厄介な現場でも強気でグイグイ行く元同僚でも、素は気が小さく同じ職場にいた時はチョットしたトラブルも深刻そうに相談してきたような人間でした。
人は追いつめられると変わるもんだなと思ったエピソードです。
再度書きますが、このエピソードは90年代の話で今は大手の貸金融業者はそのような事は殆どないといいます。
闇金融の取り立て
闇金融業者はその行為そのものが、コンプライアンスに違反していることを自覚している性質上、今でも凄まじい上記のようなことは横行していると思います。
私がアパレルで働いたとき、その闇金の取り立ての仕事をしているお客様がいました。
そのころは暴対法が施行される前だったので、そのようなヤ○ザの構成員と解っていても接客をせざるを得ない時代でした。
しかしそのお客様がそのような身分であることは、最初のうちは全く気づきませんでした。
とてもジェントルマンで物腰も低く、お洒落で無駄口はたたかない人でした。
そんな彼が商品を選んでいると、1本の携帯電話が鳴りました。
その電話へ出たお客様はまるで別人でした。
「ガキの使いで言ってんじゃねーんだぞ!!」
「目ん玉も臓器も金にできるんだぞ!?」
ま~、まくしたてるは怒鳴り散らすは、見ていてゾッとしました。
しかし電話が終わると、スッともとのお客様に戻ります。
このとき思いました。この人はまるで怒りに任せて言っているようで、実は”お仕事”で言ってるんだなと。
そこには何の感情もなく、ただただ計算で追い込んでいるのだなと。
であれば逮捕されるなど、自分の身が危ない事態になれば、計算でとっとと身を引くのだろうと。
ただ、1つ言えることは、”騙して”というケース以外で、闇金融はニーズがあるから存続している訳で、一方的に悪いとは言い切れません。
解っていて借りた本人にも問題はあります。
有名な心理学者アドラーは言いました。
世の中に必要とされなくなった仕事は必ず淘汰される、逆に存続している仕事は世の中のどこかに必要とされていると。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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