今から3年前、妻は「片側顔面けいれん」の診断を受けていました。
完治するには頭蓋骨に穴を開けて行う手術しかないと言われ、ショックは相当なものでした。
ここから妻の症例を記述していきますが・・
同じ悩みを持つ方に、少しでも勇気と希望と情報を届けられたら、という妻の意思もあり公開していきます。
後編では、手術のこと、術後の経過状況を書いていますが、この前編から読んだ方が解りやすいかと思います
片側顔面けいれんの手術を決意
妻の顔面けいれんは、右目だけに起こります。なので、「片側顔面けいれん」なのですが、当初は疲れやストレスからくる軽い痙攣であろうと思っていました。
気になりだしたのは4年位前からだそうで、もっと以前から目の下がピクピクするのはあったそうです。
当初思っていたような「疲れ」「ストレス」からくるピクピクは一時だけで、すぐに治ります。
この症状は眼瞼(がんけん)ミオキミアといって、けっこうな人が経験した事あるのではないでしょうか。
右目だけピクピク痙攣がとまらない
「とまらない」というのは、ずーっと痙攣しているというのでなく、痙攣はある時とない時を繰り返しています。
ここで「とまらない」と言ったのは、疲れなどからくる痙攣のように「一時だけで治まる」というのでなく、「ずーっと痙攣の波が押し寄せては消えるを繰り返している」という意味です。
そう思った妻は、ネットで調べて「片側顔面痙攣」という病名を知ります。
ただ一つ言えるのは、自分が思うほど他人は気にならないのです。
芸人の「とろーサーモン久保田」さんも、この病気になったと報じられました。
久保田さんの場合、本人はとても気にして悩んでいたようですが、相方の村田さんは、久保田さんの目元のけいれんに気づいてなかったそうです。
実は私も妻のけいれんは、ほぼ気になるレベルではありませんでした。
脳神経外科病院で、「片側顔面けいれん」と診断される
仕事の休みを合わせて、地元の脳神経外科医を訪ねました。
そこで診断されたのは、やはり「片側顔面けいれん」でした。
こちらから、色々な質問をしてみたのですが、あまり希望が持てる答えは返ってきませんでした。
愕然とする私たちに、聞いてきます。
手術と言われても、気持ちの整理がつかない私たちはこう答えるしかできませんでした。
「とりあえず、様子をみます・・」
結局妻は、一時的な効果なら意味がないとボトックス注射もすることなく、日々を過ごしていました。
ただ、ネットで見かけるものでアイアクトなる商品が頻繁に紹介されていました。
ネットでは、3ヶ月で顔面痙攣が完治したとか・・
即効性はないけど、副作用もないという売りで。
余りこういうの手を出す妻ではないんですが、藁をも掴む思いだったのだろうと思います。
妻も試してみました。
効果は・・
残念ながら、妻には効果がありませんでした。
右目痙攣の頻度と長さが甚大になる
そして、初めて脳外科を訪れてから約2年して、いよいよ妻の片側顔面けいれんは頻度を増し、時には口元まで引きつるようになりました。
妻は仕事で営業もするので、さらに悩みは深刻化してきました。
あっけらかんな性格の妻ですが、これだけ痙攣の頻度と面積の拡大には滅入ってしまったようでした。
そして、ついに手術を決意したようです。
もちろん、ここまでくると本人からすれば、顔のけいれんが気になって仕方ないのでしょうが、実は夫の私から見れば、それほどでもないんですが・・
でも、さらに放置するともっと悪化するらしいので、それでは女性として可哀そすぎます。
顔面痙攣の名医を探し、たどり着いたS先生
手術となると、頭がい骨に穴を空けて「脳の血管と神経を離す」という作業になります。
当然リスクが心配になります。
意外とその点は、妻は腹をくくったのか怖がる様子も、後ろ向きな様子も見えません。
かえって私の方がビビっています。
それで妻がお医者様リサーチをしていて、最後にたどり着いた先生が都内の大学病院に勤めるS先生でした。
S先生は過去に芸能人の方の顔面痙攣の手術も担当し、顔面痙攣の手術では独自のスタイルを生み出した名医さんです。
通常の顔面痙攣の手術はこういうスタイルです。
対して、S先生の独自のスタイルというのは、こうです。
S先生は、特に顕微鏡施術を得意としているそうです。
S先生の印象
先の地元の脳外科先生に紹介状を書いてもらって、いざS先生がいらっしゃる大学病院に向かいました。
いろいろ手続きを済ませて、S先生の診察室の前で順番待ちです。
そして、ようやく妻が呼ばれたので、私も付き添いで一緒に部屋に入っていきました。
なるほど、ネットでは度々「ダンディー」と書かれていたとおり、かなりのイケメン・ダンディー先生です。
そして、妻への問診が始まりました。
地元の脳外科で撮った、MRIの写真もすでにS先生の手元に届いていて、その画像を見ながら先生の所見を聞いていました。
ただ、ここの大学病院のMRIの方が画像が鮮明だということで、再度日にちを改めて、MRIを撮って欲しいということで、約1ヶ月後に再来院することになりました。
それから1ヶ月後に再来院し、その日はS先生と合わずMRIだけ撮って帰りました。
さらにそこから1週間後、S先生のMRI検査結果の診断を聞きに訪れました。
S先生のおことば
先生は、改めて「片側顔面痙攣」という診断を言われました。
そして、こちらに手術の意志があること、そのためにS先生を探してここへ来たこと、などを熱く語りました。
先生は癒しの笑顔で話を聞いてくれ、さらに手術の話にしても、なんだか自信たっぷりな様子で、凄く安心な気持ちになったのを覚えています。
もちろん脳の手術なので、後遺症のリスク、感染症のリスクなどネガティブ面の話もされてきましたが、そのようなリスクの話は、どの手術でもしますし。
そして、S先生はこちらの質問に答える形で教えてくれたのですが、それをまとめるとこんな感じでした。
・成功率は93%
・手術後、即けいれんが治まる人もいれば、1週間、2週間経って治まる人、半年経って治まる人など、痙攣がしなくなるまでの時間は人それぞれ
・そのため、術後は1年は経過を見る
・それでも数パーセントの人は、再手術をすることになるけど、ほぼそれで完治します
・ごく稀に完治しない人も、居ることは居る
大学病院のホームページを見ると、耳鳴りなどの軽度の後遺症が3例、遅発性顔面麻痺が13例ですが、この遅発性顔面麻痺はすべてその後、完治しているそうです。
さらに深刻な重度の後遺症を発症させた例は0件だそうです。
まとめ
手術の場合、耳の後ろにコインくらいの穴を空け、約3~5時間の全身麻酔をした手術だそうです。
入院は約10日で、2日目が手術ということです。
私たち夫婦が、次に病院に訪れるのは約2か月後です。
そこで、手術前の同意書などの手続きに入る予定です。
また次の記事で同じ悩みを持つ方に、参考になる内容を書ければと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021年10月、妻は手術を受けました。
その記事がこちらです。
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