2019年も日本はもとより世界でも、さまざまな災害に見舞われた年でした。
これから注文住宅を検討しているのであれば、やはりそういう災害に強い家を考えたくないでしょうか。
今回は注文住宅を建てるとき、知っておきたい耐震強度のお話をしていきたいと思います。
注文住宅を建てるとき地震対策は業者任せでいいの?
建築基準法は大きな災害があるたびに、改定されてきました。
今は2000年基準といわれる基準で建てられた家なら、耐震強度も安心と言われています。
しかし、ふたを開けてみると熊本地震では意外と多くの基準に沿った住宅が大きな被害を受けたといいます。
ハウスメーカーや工務店、業者には耐震について、どう注文を付けていけば良いのでしょうか。
日本の建築に多い軸組工法
軸組工法とは、昔ながらの日本建築の工法で「柱を軸に梁(ハリ)をめぐらせて組み立てる」工法です。
日本の住宅の約80%が、この軸組工法だそうです。
しかしこの軸組工法は、阪神淡路大震災で大地震に弱いことを露呈してしまいました。
そこで、床材や壁材に地震に強い構造のものを使い、揺れを線だけでなく面でささえるモノコック構造が発達しました。
これによって柱と梁(ハリ)からなる、軸組工法でも耐震性が増しました。
それでも揺れに対する構造検討が行われないケースが多く、熊本大地震では多くの軸組工法の家が倒壊しました。
軸組工法にするときは、しっかり構造検討ができる会社を選ぶのが良いです。
ツーバイフォー・ツーバイシックスなどの枠組み工法
アメリカで開発された建築工法で、38ミリ×89ミリのツーバイフォー材を組み合わせて建てられます。
この工法だと、地震の揺れを面でしっかり支えるため、耐震性は格段に高くなります。
さらに火災にも強いので、火災保険の料金も、軸組工法に比べて安くなるメリットがあります。
枠組み工法は共通の施工要領があるので、職人の技量によって、出来栄えが左右されるようなこともありません。
また隙間ができにくいので、気密性も高くなります。
ただし枠組み工法でもデメリットがあって、屋根を組み上げるのに2週間前後かかります。
すると思わぬ雨にたたられ、構造材が濡れてしまう可能性があります。
乾けば問題ないということですが、もし丸2日とか3日とか雨ざらしになったとしたら、乾く時間も相当かかるし、ちょっと気になってしまいますね。
プレハブ工法・鉄骨工法
木造にくらべ、耐震性が高くなります。
規格化されているので、施工精度が高くて工期が短いのもうれしい特徴です。
しかしデメリットも多く、規格化されている分間取りの自由度があまりありません。
さらに外壁は左官材料である、「塗り壁」を使えないケースが多くなります。
また気密性、断熱性もあまり期待できない工法です。
まとめ
耐震については、こちらが少々の知識をもってハウスメーカーと相談しないと、上手くはぐらかされるか、誤魔化される可能性すらあります。
★最低限おさえたい耐震スペック
1) 耐震等級2以上の、モノコック工法で建てられる
2) 耐震等級1以上で、構造計算を行っている
3) ツーバイフォーなどの枠組み工法で建てられる
日本は地震大国でありながら、意外とハウスメーカーや工務店によって得意・不得意があります。
熊本地震ではいわゆる2000年基準で建てられた家でも、約半数が大破、中破、小破、軽微のいずれかの被害があったそうです。
日本建築学会が2018年にした調査では、軽微の被害の家でも約3割の住宅が建て替えられたか、更地になっていたそうです。
地震被害後、更地になったか建て替えなどのため解体された住宅の割合
被害の大きさ | 大破 | 中破 | 小破 | 軽微 |
解体された割合 | 93% | 82% | 54% | 29% |
デザインや生活効率も大切ですが、地震をはじめとした災害にも配慮した家づくりを検討してみてはいかがでしょうか?
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
追伸:
複数の業者から、最適な業者を探してみませんか?